「消せるボールペン」30年間の開発物語
著者:滝田誠一郎
出版社:株式会社小学館
出版年:2015年
フリクションボールを店頭で試し書き?というより試し消しした時の衝撃は凄かった。
当時の自分はボールペン字を消すのは砂消しでガリガリ削るイメージがあったので、こんなに軽く綺麗に字が消せる技術力に驚いた。
この本は、2006年1月にヨーロッパで先行発売され、2014年3月末時点で累計販売本数が全世界で10億本を突破した大ヒット商品-消せるボールペン「フリクションボール」をはじめとするフリクションシリーズの開発物語である。
フリクションシリーズに使われている摩擦熱で透明化する「フリクションインキ」のルーツ-温度変化で色が変わる「メタモカラー」(「メタモインキ」ともいう)の基本原理をパイロットインキの若き開発者が発見したのが1971年。特許を取得したのが1975年。それから30数年間におよぶ長い開発物語だ。
この開発物語を漢字1字で表すならば「続」が最も適切である。
30年以上にわたって開発を続けられた理由
①着想がユニークであり、かつスケールの大きなものだった。
これはそのフリクションインキの開発物語である。
ここにはパイロットインキ取締役会長の中筋憲一氏とパイロットインキ第1開発部長千賀邦行氏が主役である。
入社後中筋氏は「万年筆のインクの研究開発がメインストリーム」なのに対して傍流のノンカーボン紙の開発に配属されるが、「会社はノンカーボン紙からの撤退を決定する」。そこで「自分で何か新しい仕事を考えようと」したときに「紅葉にヒントを得た」のである。夏に緑一色の香嵐渓が11月中旬に真っ赤に染まる様子を見て「この鮮やかな色の変化を試験管の中でぜひ実現したい」と思った事が温度変化で色が変わるフリクションインキ開発の出発点であった。
その後中筋はインクの原理を発見するが、それをセレンディピティと言っている。「セレンディピティとは何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力をさす」というが、何度かの実験の中で「ドライヤーの熱で変色する組成を発見した」などがそうである。
フリクションインキの原理は発色剤と顕色剤と変色温度調整剤がカプセルに入っており65度を超えると発色剤と顕色剤が解離して透明になり、マイナス20度以下になるとそれらが結合して発色する。最初は温度の変化幅も狭くカプセルも大きかったため玩具(熱いお湯を注ぐと絵柄が現れるマグカップなど)への展開がほとんどだった。しかし「そのときどきの技術レベルに応じた商品化に取り組み、利益をあげ続けてきたから」こそ開発が続けられたのである。
その後千賀の時代に温度変化の幅も広がり、カプセルも2~3マイクロメートルにまで小さくしても耐久性も発色も良いものが出来上がり筆記具への展開が可能となった。
当時は「筆跡がいつまでも変わらずに残るのが”いい筆記具”だという常識」だったが、このインクを使った筆記具の開発プロジェクトがスタートする。
実は最初に出たものは色が黒から赤などに変化する限定品の筆記具であった。これは話題になることもなく市場から姿を消した。欧州にも輸出しており、これを欧州社長が透明色に変化できないかと言った。「その一言が『フリクションボール』の始まり」となった。
そして2006年1月にフランスで販売して以降2014年3月に10億本を突破した。「単純計算で1年に1億2000万本強売り上げたことになる」。
年間 500本売れればヒットと言われるボールペン市場において『フリクションボール』は超が何個も付く大ヒット商品となり、9年間でフリクションスタンプなど関連商品も20種類となった。
中筋氏は、「自然は時折「真理」を垣間見せるが、それは誰にでも見えるのではなく、その一瞬は、常識にとらわれず、真摯な姿勢で常に真理を追い求めている人にのみ捕らえる事ができる」と述べており、筆者は自然が時折垣間見せる「真理」こそが、本文中に何度も登場するセレンディピティであると結んでいる。
13歳から分かる!7つの習慣
「7つの習慣」
知らない人はいないと思いますが、スティーブン・R・コヴィー氏の書いた『成功を手に入れ、充実した人生を送るための方法』を紹介したベストセラー本です。
2025年6月21日 午後9:30時点でアマゾンを見てみると、5,664人のレビューがあり☆は4.5の高評価です。
さらに30周年を記念したバージョンも出ています。こちらは527人のレビューがあり☆4.4の高評価です。実は、自分はこちらの本も買ってます。両方とも紙の本で買っています。
でも、完読した人ってどのくらいいるんでしょうか?
恥ずかしながら、私は2冊も持ってるのに完読できていません。だいたい第3の習慣を読み終わった辺りで挫折してしまいます。
次に、考えたのはティーンズ向けだったら少しは簡単なのではないかと。こちらはKindle本を購入しました。ただし、他にも読みたい本がKindl本でたくさんあったため、こちらはもっと早い段階で読むのを止めてしまいました。
なので、マンガならどうだろう?と思い、下記の2つを購入しています。
こちらは紙の本で、
こちらはKindle本で。
さすがにマンガは読み終わりましたが、頭に残っていません。
そして今回はこちらの13歳向けの本を買いました。1,429人のレビューで☆4.4です。
こちらはマンガというよりも、絵本の様な読みやすさです。それでいて要点はしっかり押さえられていました。
そして、私はとうとう7つの習慣を最後まで読み通すことが出来ました。
これは、私のように挫折してきた方に是非ともお勧めしたい本です。
私は、この読書を踏まえて再度オリジナルの7つの習慣を読みたいと思います。なぜなら、13歳から分かるバージョンには、PとPMの話などは出てきておらず、本来の意味ではやはり不完全かと。
皆さんにも13歳から分かるバージョンで、ひと通りの知識を得た後で、オリジナルバージョンを読むことをお勧めしたいです。
基礎から学ぶ統計学 著者:中原治
こちらのブログはあまり更新してなかったのですが、どうしてもお勧めしたい本が出てきましたのでアップしました。
その本とは、これです。
『基礎から学ぶ統計学』
これ、めちゃめちゃ丁寧に解説してあるので、とても分かりやすいです。
私は色々な統計の本を買いましたが、現時点ではこれが一番です。
まず目次が通常の教科書とは違っています。
【目次概略】
序章 はじめに
第Ⅰ部 統計的仮説検定の論理
・1章 検定の論理 (二項検定を教材として)
・2章 検定統計量(Wilcoxon-Mann-Whitney検定を教材として)
・3章 第1種の過誤と第2種の過誤
第Ⅱ部 統計学の理論的基礎
・4章 平均、分散、標準偏差、自由度
・5章 正規分布と統計理論の初歩
・6章 t分布と母平均μの95%信賴区間
第Ⅲ部 母平均μに対する統計解析
・7章 関連2群のt検定(対応のあるt検定)
・8章 独立2群のt検定(対応のないt検定)
・9章 P値
・10章 一元配置分散分析
・11章 多重比較(Bonferroni捕正とTukey-Kramer法)
第Ⅳ部 2つの変数xとyの間の関係
・12章 相関分析
・13章 単回帰分析
本書の使い方の中に、以下のように書かれています。
『本書は、学習項目の順序が、従来の教科書とは異なっています。これは北大農学部の学生たちを相手に、何年も試行錯誤した結果です。統計学の基礎を身につけるには、これが、最も手堅いです。』
つまり、何年もの実践を通じて、実績に裏付けされた順番ということです。
まとまり毎に例題があるのですが、その類題の解説も分かりやすい。もっと興味のある人はホームページへのリンクもあり、そこには本で解説されなかった高度な内容もあり、とてもおもしろいです。
実は私、会社でシックスシグマのグリームベルトを取得済みなのですが、この本を読むことでめちゃめちゃ統計学というものが頭に染み入っています。
統計学って会社に入るまでは、つまり学生時代ってめちゃめちゃ軽視されていました(確率・統計という授業はあったけど、統計習った記憶が無い)。でも会社に入って、とても役に立つのは統計なんですよね。昨今、データ解析とか流行っているじゃないですか。あれはまさに統計学ですよ。
どちらの方が顧客・視聴者の反応が良いとか見極めるのも統計学があって、初めて可能になります。
そういう意味でも、この本は絶対におすすめです。買うなら、電子書籍ではなく紙の本が絶対に良いです。
まんがでわかる 最高の体調
最高の体調 著者:鈴木祐 漫画:ながみちながる
手っ取り早く内容をつかむにはマンガがかなり役に立ちます。
この本は現在(2025-1-4)kindle unlimited になっていますので会員の方は無料で読むことができます。おまけに本家の本の方もunlimited 対象です。
目次は以下です。
序章:不調の原因は「文明病」
1章:最高の食事
2章:最高の環境
3章:最高の睡眠
4章:最高のメンタル
5章:最高の仕事
6章:最高の人生
終章:最高の体調でいるために
私は5章の最高の仕事に書かれていた「仕事を楽しくする方法」を自分の仕事に活かそうと思いました。
本書では「仕事はつまらない」。遊びは「楽しい」とあります。その遊びが楽しい2つのキーワードを仕事に応用します。
そのキーワードというのが、「ルール設定」「フィードバック化」です。
昨年、あまり成績の良くなかった安全について、このルール設定と、特にフィードバック化を取り入れようと思います。
チームリーダーや作業者に毎日の安全成績をつけて貰うことで、安全に対する意識付けを高めようと思います。
六人の嘘つきな大学生 著者:浅倉秋成
この作者の作品は初めてですが、とても魅力的な作品でした。
ある企業の最終選考に残った6人の大学生。最終課題はグループセッション。良い議論が出来れば6人全員が採用されるため、最終選考に向けて6人が定期的に集まりながら準備を進めていました。しかし最終選考の開催前に急遽、採用枠が1人になり、その人選を最終選考のグループセッションで決めるということに変わりました。
180度風向きが変わり、当日のグループセッションでは思わぬ事態が起き・・・。
最終選考は誰が選ばれたのか?
というのは、話の前半みたいなもので、その採用者が決まって数年経った後の話が、よく考えられてるなぁと感心しました。
人の感情の変化や、謎解きに興味ある人にはお勧めの作品です。
「テミスの剣」著者:中山七里
「護られなかった者たちへ」を初めて読んで以来、中山七里さんの虜になりました。それほど中山さんの作品は魅力的な要素がたくさんあります。まずストーリーがそもそも読んでいて退屈させずに、読者を引き込む力があります。今回の作品である「テムスの剣」は冤罪をテーマにしたストーリーですが、そこに登場する人物像がとてもよく描かれております、読者を夢中にさせます。また話の展開もほどよくスピーディーであり、ついつい読むページを重ねて、一気に読んでしまいます。そして、度重なるドンデン返しは、読者に感動と驚きと爽快感を与えてくれます。中山さんの作品はこのドンデン返しが有名ですが、読んでて、このドンデン返しの驚きと、そこに繋がる伏線が見事すぎて、読後感が半端ないです。この「テムスの剣」もそういう作品になっており、今ならkindle Amazon 会員であれば無料で読めますので、読んで見る価値は120%あります。お勧めです。










